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第8回インド洋会議での、セイエド・アッバス・アラグチ・イラン・イスラム共和国外務大臣のスピーチ
マスカット、2025年2月16日
来賓の皆様、 本日私たちは、何世紀にもわたって東西の架け橋として認識され、近くと遠くの偉大な文明や諸国家を結びつけてきた国土に集いました。寛大なホストであるオマーンは長い間、経済活動の主体であるだけでなく、インド洋地域における建設的な交流と対話、そして外交の象徴的存在でもありました。世界の発展の中心にあるこの地域は、国際経済の未来を形成する上で決定的な役割を果たし続けています。 歴史を通じて海洋は、地理的境界というよりも、文明間の交流の結節点でした。何千年もの間、インド洋は水域であるだけでなく、貿易や文化交流、さらには文明の発展の重要な幹線路でもありました。この航路は、インド沿岸からアフリカ、インドネシア諸島からペルシャ湾、イランから紅海まで商人を結びつけてきました。陸路が長く危険だった時代に、インド洋は新興諸国を結び、新たな機会を生み出してきたのです。 しかし今日、世界は根本的で急激な変化の中にあります。経済と技術の急速な発展、新しい貿易ルートへの各国の依存、地域の安全保障と協力の必要性は、かつてないほど重要になっています。このような状況下では、従来のルートと古い貿易パターンだけではもはや十分ではありません。インド洋が単なる通過ルートではなく、戦略的および経済的協力の拠点となる未来を設計する必要があります。これこそが、今年の会議のテーマ「海上パートナーシップの新たな地平への航海」の背景にある哲学です。このテーマは単なるスローガンではなく、域内のすべての国の歴史的必要性を反映しています。 こうした動向を認識し、イラン・イスラム共和国は「海洋重視」政策を戦略的発展の最前線に据えてきました。5,800キロメートル以上の海岸線(そのうち4,900キロメートルは広大な海に沿って南に伸びている)を持つ国は、海洋の将来に無関心でいることはできません。イランにとって、海洋経済の発展は単なる選択肢ではなく、必須事項なのです。我が国は、イランの海岸は単なる自然の境界線ではなく、イランと世界経済を結ぶ玄関口であると確信しています。したがって、イラン・イスラム共和国ペゼシュキアン第14期政権は、港湾、海上輸送、地域サプライチェーンの発展に向けた包括的かつ実践的な計画を策定しました。 この文脈において、マクラン海岸は特別な位置を占めています。何世紀にもわたって自然と経済上の潜在力が見過ごされてきたこの海岸は、今や国家開発の優先事項となっています。マクランの「失われた楽園」は、イランと地域の将来の経済の中心地へと変貌を遂げる必要があります。この戦略に基づき、イラン・イスラム共和国政府はこの地域の発展のために4つの主要目標を定めました。 第一に、地元経済と地方経済を強化し、地域に住むコミュニティに持続可能な雇用を創出し、地域のサプライチェーンで役割を果たすことができる中小企業を支援することです。 第二に、再生可能エネルギーに重点を置いたエネルギーインフラの開発です。私たちは、未来の経済は持続可能でクリーンなエネルギーに依存すると確信しています。新しいエネルギー技術への投資と化石燃料依存の削減は、環境上不可欠であるだけでなく、経済的観点からも地域の競争力を高めることでしょう。 第三に、国際輸送回廊を完成させ、輸送ルートを強化することです。イランと域内外の他の国々を結ぶ鉄道と道路、海上ルートのネットワークを確立することは、私たちの海洋重視政策の重要な柱です。 第四に、経済発展の原動力として国内外の投資を誘致することがあげられます。持続可能な投資がなければ経済は成長しません。私たちはこの地域の発展に貢献したいと願うすべての国を歓迎します。 とはいえ、これらの計画はどれも永続的な安全保障なしには成し得ることはできません。海洋安全保障は今や世界経済にとってかつてないほど重要になっています。イラン・イスラム共和国は経済・貿易の役割に加え、海洋安全保障の確保の責任も担っています。イラン海軍は域内諸国と協力して、海賊対策、麻薬密売や組織犯罪対策、そして航行の安全確保に一貫して貢献してきました。我が国は、海洋安全保障は域外の勢力による圧力や影響力の手段として利用されるべきではなく、むしろ域内諸国間の協力の結果であるべきだと考えています。 同時に、いかなる国も単独で経済発展の道を進むことはできません。地域協力は共通の進歩の鍵です。環インド洋連合(IORA)とインド洋海軍シンポジウム(IONS)への加盟を通じて、イランは地域における多国間主義と経済・安全保障協力への取り組みを強調しています。 しかし、依然として大きな課題が残っています。特定の域外の勢力が域内の政治と経済、安全保障上のギャップを利用し、域内諸国間の自然な協力を損なおうとしているのです。世界の大国の地政学的競争がこの地域の将来を決めることを許してはなりません。インド洋の運命に関する決定は、この地域の国々によってなされなければならず、人々の利益にかなうものでなければなりません。 最後に、この会議がイランの友人であり兄弟である国、オマーンで開催されることを嬉しく思います。オマーンは、常にこの地域における建設的な交流と対話、そして外交の象徴的存在であり続けています。協力と相互信頼を通じてのみ、この地域の人々のために持続可能な未来を築くことができると、我が国は信じています。この会議が、海洋および地域協力の新たな章、すなわち、分断に代わって協力が、衰弱させる対立に代わって発展が訪れる章の始まりとなることを願っています。 ご清聴ありがとうございました。