18 June 2025
2025/06/17 - 03:21
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アラグチ外務大臣による、テヘラン駐在各国大使および外交団代表との会合でのスピーチ

皆さま、おはようございます。本日は皆さまにお目にかかれて大変嬉しく思います。また、私たちの招待を受け入れ、外務省にお越しいただきましたことに心より感謝申し上げます。 本日は、現在の情勢と、我々が目の当たりにしている事態についてご説明申し上げたく思います。それは、イスラエル体制によるイラン・イスラム共和国に対する明白な侵略行為についてです。

ご承知のとおり、金曜日の朝より、イスラエル体制は何の前触れもなく、イラン国内の複数の標的に対して一方的に攻撃を開始しました。これは、イラン・イスラム共和国の領土主権に対する明らかな侵害であり、最も重要な攻撃対象の一つは、ナタンズの核施設でありました。また、テヘラン市内のいくつかの標的も攻撃されました。

この攻撃によって、テヘランをはじめとする多くの都市で一般市民が犠牲となり、数多くの家庭、女性や子どもたち、核科学者、そして戦闘に関与していなかった軍の指揮官たちが、自宅で命を落としました。

このような中、我々はちょうどアメリカとの核問題に関する協議を行っており、本来であれば、本日(15日日曜日)にはマスカットにて第6ラウンドの交渉が行われる予定でありました。

イスラエル体制は、国際法を無視する行為に一切の制限を設けておらず、皆さまもご覧になったように、ガザでは無辜のパレスチナ人が殺害されただけでなく、人権、国際人道法、国際法、あらゆる国際的な基準が踏みにじられました。そして今回は、核施設への攻撃という、新たな国際法上のレッドラインを越えるという、極めて重大な違反行為を行ったのです。このような攻撃は、どのような状況下においても禁じられており、残念ながら国連安全保障理事会はこれに対して無関心な姿勢を見せています。

多くの国々、特に地域諸国は、イスラエル体制によるイラン、特に核施設への攻撃を非難しました。ここにお集まりの各国大使の皆さま、そしてその国々がこの侵略を非難されたことに対し、深く感謝申し上げます。

しかしながら、ヨーロッパの一部の国々においては、自らが文明国家であり国際法の遵守を謳っているにも関わらず、イスラエルを非難するのではなく、侵略を受けたイランを非難するという逆転した態度を見せました。

このような攻撃に対して、我々は正当防衛の原則に基づき対応しております。Self-defense(自衛権)は国際関係における正当な原則であり、侵略に対して各国が自らを守ることは当然の権利であります。このため、我が国の軍は一昨日より反撃を開始し、昨夜にはその規模が拡大しました。今後も必要に応じて対応を継続する方針です。

我々の目的は、侵略への対抗と自衛のみであり、イスラエル占領地にある軍事および経済施設に対してミサイル攻撃を行いました。初日の攻撃では、軍事施設のみに限定していましたが、昨日、イスラエル体制が経済施設、すなわちテヘランの製油所およびアサルーイェの一部地域を攻撃したため、我々も経済目標に対する対応措置を取りました。シオニスト体制の製油所などを攻撃対象としました。

昨日のアサルーイェへの攻撃は、極めて危険な侵略行為であり、戦火をペルシャ湾地域に広げようとする戦略的な誤りであります。これは、意図的かつ計画的に行われた可能性があり、目的は戦争をイラン領土の外へと拡大することにあると考えられます。ペルシャ湾は極めて繊細で複雑な地域であり、この地域における軍事的な事態の発生は、地域全体、さらには世界全体を巻き込む恐れがあります。

このような非常に危険な行動を昨日から開始したのがシオニスト体制であり、我々は国際社会が速やかにこのような犯罪行為・侵略を止めるために行動することを期待しています。イラン・イスラム共和国は、正当な防衛を力強く継続していきます。我が国の軍は、その義務を断固として果たし続けるでしょう。

ナタンズの核施設に対する攻撃に関しては、私は国際原子力機関(IAEA)の事務局長に対し、この件に関する緊急会合の開催を要請しました。この会合は月曜日に開催される予定であり、国際法を著しく侵害したシオニスト体制に対する明確な非難が理事会にてなされることを期待しています。

理事会のメンバー国に属する大使の皆さまには、ぜひこの点をご自身の本国に伝えていただきたいとお願いします。

我々および国際社会が求めているのは、核施設への攻撃という行為に対する強い非難と、その実行者であるイスラエル体制への制裁であります。このような攻撃は、国際法における最後のレッドラインを越えるものであり、もし国際社会がこのような明白な違反に無関心であるならば、その影響は他国にも及ぶことになるでしょう。

さらに申し上げたいのは、今回のイスラエル体制によるイラン・イスラム共和国への攻撃が、アメリカの支援なしに実行されることは決してあり得なかったという点であります。

我々は、域内のアメリカの軍事基地および兵力がイスラエルの攻撃を支援したことについて、確固たる証拠を有しています。我々はその動きを正確に監視しており、アメリカ軍がどのようにイスラエルを支援したのか、多くの証拠を把握しています。何よりも、アメリカ大統領自身が公に支持を表明したことが、明確な根拠となっています。したがって、我々にとってアメリカはこの攻撃の共犯者であり、その責任を負わなければなりません。

しかしながら、我々の対応は、シオニスト体制内部の標的に限定しています。我々は戦争を拡大することを望んでおりません。ただし、それが我々に強制されるのであれば話は別です。我々は他国や地域へと戦争が広がることを望んではおりませんし、本来であれば我々は核問題に関する外交努力を行っていた最中でありました。にもかかわらず、この戦争は我々に押し付けられたものです。

我々は自国を守ります。その防衛は完全に正当であり、力強いものです。これは一連の侵略行為に対する対応措置です。もし侵略が停止されるのであれば、当然ながら我々の対応も停止することになります。

本日、我々はマスカットにて第6ラウンドの核協議を行う予定でありました。私がこれまで幾度となく申し上げてきたように、我々は自国の原子力計画が平和的であることに確信を持っており、その信頼性を世界に対して示すことにも何ら問題はありません。これは、2015年の核合意(JCPOA)においても実証済みです。

我々は、イランが核兵器を保有しないことを目的としたあらゆる合意に対して前向きです。なぜなら、それがまさに我が国のドクトリンであり、核兵器の保有・使用を禁じるという我々の信念に基づいているからです。しかしながら、もし合意の目的がイランから正当な核の権利を奪うことであるならば、そのような合意には応じることはできません。

この論理に基づき、我々はアメリカとの交渉に臨み、すでに5回のラウンドを実施してきました。第6ラウンドでは、アメリカ側に対して我々の側からの新たな提案を提示する予定でした。前回、アメリカ側から提示された提案には我々にとって受け入れがたい問題点が存在しており、その旨はすでに伝えてあります。我々は自らの立場を明確にした上で、新たな対案を準備し、それを本日の会合で提出する予定でした。我々は、この提案が合意への道を開く可能性があると考えていました。

しかしながら、イスラエル体制は核問題に関するいかなる合意も望んでおらず、交渉も、外交も望んでいないことは明らかです。交渉の最中にイランへの軍事的侵略を行ったことは、イスラエル体制があらゆる形の協議に反対していることの表れです。

思い出していただきたいのは、過去にも同様のことが幾度となく起きているという点です。イスラエル体制は、暗殺や破壊工作によって、常に核協議の妨害を試みてきました。

たとえば、2021年の春に、ウィーンでJCPOAの立て直しに関する交渉を行っていた際、イスラエルは交渉の最中にナタンズの濃縮施設に対する破壊工作を行い、同施設の電力インフラが爆破されました。その結果、電力が遮断され、多数の遠心分離機が損傷を受けました。この攻撃の目的は、交渉の進展を妨げることに他なりませんでした。

当時、我々は濃縮レベルを60%に引き上げることを発表しました。この決定は、ナタンズにおけるイスラエル体制の破壊行為に対する正当な対応でした。その後、損傷を受けた遠心分離機は、より高性能な機器にすべて置き換えられました。

今回の攻撃も、まさに外交と交渉の破壊を目的としたものであり、我々はアメリカ政府がこの行為に同調していることを遺憾に思っています。

過去2日間にわたり、アメリカからは様々なチャンネルを通じて「この攻撃には関与していないし、今後も関与しない」とのメッセージが届いています。しかしながら、我々はこの主張を信じておらず、これに反する証拠を有しております。

本当にアメリカがそのように主張するのであれば、はっきりと公の場で立場を表明すれば良いでしょう。非公式なメッセージでは不十分であり、アメリカ政府は誠意を示すために、核施設への攻撃を明確に非難し、この紛争から明確に距離を置くべきです。

我々は、国際社会がこの問題に真摯に向き合い、国際法のあらゆる原則を踏みにじるイスラエル体制の犯罪と侵略に対して、適切な反応を示すことを期待します。それこそが、地域と世界における平和を実現する最良の道なのです。

 

ご清聴ありがとうございました。

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